2/23 伐採作業開始、本体工事に着手   




四国新聞社 2010年2月23日 web版








内海ダムの本体工事着工に伴い、始まった建設地の伐採作業


=22日午前、香川県小豆島町






香川県と小豆島町が進める内海ダム再開発事業で、県などは22日、1月からの調査、測量
に続き、新内海ダム建設地周辺の伐採作業を始めた。同ダムは前原誠司国土交通相が着工
を先送りし、有識者会議が今夏まとめる基準に沿って建設の是非を検証するよう求めていた
全国の5補助ダムうちの一つ。今回の伐採作業で本体工事に事実上、着手したことになる。





 新内海ダムは貯水量は旧ダムの7・5倍の約106万トンで、総事業費約185億円。うち約9
1億円は国の補助金を見込んでいる。真鍋知事は「長年、国と協議し合意を得て続けてきた事
業。住民の安全安心の面からも早急に実施しなければいけない。国の補助金は必ず付くと思
っている」として事業を継続し、2010年度予算案に事業費33億円を計上した。





 工事は午前10時から始め、工事を請け負う共同企業体の作業員らがチェーンソーで新ダム
の中尾根にあたる斜面の樹木を次々と伐採していった。中尾根部分約7200平方メートルは
3月中旬、右岸部分約3500平方メートルは3月末までに伐採を終え、伐採の終わった場所か
らダム本体の基礎掘削工事に着手していく予定。





 完成予定は2013年度末。12年末に堤体を完成させ、試験的に水をためて貯水池周辺な
どの安全性を検証する試験湛水(たんすい)を行う予定。





 新内海ダムに関しては一部住民が治水・利水両面とも合理的な理由がなく、自然を破壊する
などとして反対しており、「寒霞渓の自然を守る連合会」など4団体が同日付で、真鍋知事と坂
下小豆島町長に抗議書を送付。「司法の場や県土地収用委員会の場で係争、審理中であり、
工事を強行する姿勢に強く抗議し、直ちに中止を求める」などとしている。





「県の判断だ」前原国交相





 前原誠司国土交通相は22日、建設の是非を検証するよう要請していた内海ダムの本体工
事が同日開始されたことについて「県(が事業主体)のダムであり、県の判断だと思う」と述べ、
やむを得ないとの認識を示した。馬淵澄夫国交副大臣も同日の記者会見で「自治体の判断で
あり、国としてどうこうはできない」と述べた。










新内海ダム本体工事着工




読売新聞社 2010年2月23日 web版








伐採用のチェーンソーを手に現場に入る作業員ら


(22日午前10時4分、小豆島町神懸通で)




県は22日、小豆島町の県営新内海ダム建設予定地で、本体工事に着手した。真鍋知事は県
議会で「住民の安全と安心を守るため」と説明、予定通り建設を進めていく姿勢を強調した。一
方、反対する一部住民らは「国庫補助が不透明な中での強行着工だ」と反発を強め、抗議文
を提出するなどした。





 この日着工したのは、ダムえん堤の中心部に当たる山林の伐採。午前10時過ぎ、県小豆総
合事務所の職員が見守る中、作業員ら16人がチェーンソーを使って雑木を切り倒していっ
た。





 県は2010年度当初予算案にダム事業費として33億円を計上しており、真鍋知事は、この
日開会した県議会での提案説明の中で、「地元住民や産業界から、早期完成を求める多くの
要望がある」と述べて、13年度中の完成を目指す考えを改めて示した。





 一方、国を相手取って事業認定の取り消しを求める訴訟を起こしている地権者らの原告団
はこの日、真鍋知事と坂下一朗・同町長に、「ダムは治水・利水両面での合理性が認めらな
い。また、前原国交相がダムの再検証を県に要請している」などとする抗議書を送り、工事の
中止を求めた。





 原告団の山西克明代表は「景観や自然は一度失われてしまうと元に戻らない。補助が不透
明な今、県はなぜ建設を急ぐのか。行政の力を笠に着た暴挙だ」と憤っていた。







本体工事の着手、国交相「残念だ」




四国新聞社 2010年2月24日 web版




前原誠司国土交通相は23日の記者会見で、事実上の本体工事がスタートした香川県小豆島
町の新内海ダムについて、「(検証対象とした)私の気持ちを斟酌(しんしゃく)していただけず
残念」と心境を語り、「国にとっては補助事業であり、あくまで事業主体である県がそういう判断
をしたものと受け止めている」との見解を改めて示した。





 「国からの補助金の大幅減額もあり得るのか」の質問に対しては、「法律にのっとってやらせ
てもらいたい」と述べるにとどめた。












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