3/26 再検証ダム満額補助「新内海」予定通り工事へ




読売新聞 2010年3月26日 




反対派「大臣視察、何だった」




 自治体が建設し、国が補助金を出す「補助ダム」について、自治体に事業の再検証を求めて
きた国土交通省が、2010年度の補助金をほぼ満額配分する方針を決めたことを受け、県営
新内海(うちのみ)ダム(小豆島町)の計画は4月以降も予定通り進められる見通しとなった。県
の担当者や計画を推進する住民らは安堵(あんど)の表情を浮かべ、反対派の住民は失望感
をあらわにした。





 県は、昨年12月に前原国土交通相が同ダムを視察して事業の見直しを求めた直後に本体
工事の契約に踏み切った。それだけに北原義則・土木部長は「一定のカットは覚悟していただ
けに満額は良かった」と、ほっとした様子。





 国交省が「申請通り交付しないと違法となるおそれがある」としたことについて、北原部長は
「視察の時に知事が『支払いが義務づけられた負担金』と指摘した成果だ」と分析した。





 推進派住民でつくる「内海ダム再開発事業地元対策協議会」の大川新也会長も「まさか満額
とは」と驚きつつ、「ダムは必要との思いが通じた」と喜ぶ。





 一方、建設に反対する住民らは一様に落胆した。





 ダム用地の地権者の1人で、用地を強制的に買収する土地収用の事業認定取り消しを求め
る訴訟で原告団代表を務める山西克明さんは「民主党政権の良識に期待していた。国交相の
ダム見直し要請や視察は一体何だったのか」と残念がった。





 県によると、建設現場では伐採が完了し、今月10日にダム本体の基礎部分の掘削工事が
始まり、本格的な本体工事に入ったという。







内海ダム補助金配分/国交省、全国5事業へ




四国新聞 2010年3月26日 web版




内海ダム補助金配分/国交省、全国5事業へ




 国土交通省は25日、前原誠司国交相の見直し要請に応じず、事業主体の県が2009年度
中にダム本体工事の契約を済ませるなどした五つのダム事業について、各県の申請に沿って
本体建設に必要な補助金を10年度に配分する方針を固めた。





 対象は浅川ダム(長野県)、与布土生活貯水池(兵庫県)、野間川生活貯水池(広島県)、内
海ダム(香川県)、路木ダム(熊本県)。





 「できるだけダムに頼らない治水」への転換を目指す前原氏は昨年末、09年度中の本体着
工が予定されていたこれらのダムを含む全国58の補助ダムについて地元自治体に必要性の
再検証を要請。だが今月9日には自治体が本体工事で複数年度契約を結ぶなどしている事
業には「国が補助金を出さなければ裁量権の逸脱を問われる恐れがある」と述べ、5ダムなど
について申請に沿って補助金支出に応じる方針を示唆していた。





 内海ダムの補助金について、真鍋武紀香川県知事は「法律上は負担金。国に裁量の余地
はない」との見解を示し、ダム建設を推進。今年2月には本体工事に着手。10年度当初予算
案でも事業費33億円を計上し、2月県議会で可決されている。





 香川県河川砂防課は「国から正式な連絡はないが、報道の通りなら事業を計画通りに進め
ることができ、非常にありがたい」としている。












国が建設費満額補助 小豆島町の新内海ダム 




産経新聞 2010年3月28日 web版




国が建設費満額補助 小豆島町の新内海ダム 香川




  平成22年度の国庫補助の個所付けが注目されていた香川県小豆島町の新内海ダム建設
事業で、国土交通省は26日夕、県が要望していた32億6300万円(補助額約15億5千万
円)の事業費を満額交付すると内示。同ダム建設事業が正式に認められた形になった。





 これに先立つ同省の記者会見で前原誠司国交相は「(内海ダムを含む)5ダムについては、
先週までに各県議会の議決を経て、本体工事の契約が行われている。各県の最終判断結果
などを踏まえ、計画通りに事業を進める予算を配分。5ダムについては、検証を要請する対象
から除外する」などと述べた。





 理由としては「5ダムについては各県の補助金交付への期待が大きく、来年度以降の補助金
を交付しないということは、国の裁量権の逸脱になる恐れがあると考えて判断した」などと話し
た。





 これを受け真鍋武紀知事は「内海ダムが継続して進めるダムとして認められ、計画通り事業
予算を計上していただけることは、地元の強い要望や県の意向を斟酌(しんしゃく)し、ご配慮
いただいたものと受け止め、感謝したい」とコメント。





 さらに「河川管理者の責務として、地域の治水・利水の問題解決を図り、住民の安全・安心を
守ることが可能となるので、良かった。平成25年度完成に向け、地元小豆島町とともに、引き
続き事業推進に努めたい」とした。










地元対立収まらず/内海ダム補助金決定 




四国新聞 2010年3月27日 web版




地元対立収まらず/内海ダム補助金決定




 前原誠司国土交通相が記者会見で事実上、内海ダムの建設を認めた26日、地元・香川県
小豆島町ではダム推進派と反対派住民に喜びと落胆が交錯した。長年にわたり、それぞれの
主張を国に訴えるなど粘り強く活動を続けてきただけに、明暗を分ける結果に賛否の声が渦
巻いた。





 推進派らは待ち望んだ朗報に喜びの表情をみせた。早期完成を訴え続けてきた内海ダム再
開発事業地元対策協議会の大川新也会長は「国が正しい判断をしてくれた。満足している。活
動も実を結んだ」と安どの様子。「今後は工事が事故なく順調に行われることが大事。地元とし
てもできるだけ協力していきたい」と語った。





 一方、反対してきた一部住民らは怒りを隠さない。寒霞渓の自然を守る連合会の山西克明
代表は「民主党のマニフェストはどうなったと言いたい。憤りを感じる。『コンクリートから人へ』
が『人からコンクリートへ』になってしまった」と怒りをあらわにし、「今後も訴訟や運動を続け、
変わらず反対を訴えていく」と語気を強めた。

















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