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11/22 反対住民「島が沈む」 新内海ダム予定地




四国新聞社 201011月22日 web版




反対住民「島が沈む」 新内海ダム予定地








「団結小屋」の中で作業をする山西さん(中)らダム反対派の地元住民=小豆島町







 「島自慢の景観がなくなり、観光も産業もダメになってしまう」――。小豆島の景勝地・寒霞渓
近くで県が計画している新内海ダムに反対する地元住民の思いだ。建設予定地にある所有地
に「団結小屋」を建て、明け渡しを拒否しているが、22日、その期限を迎える。(飯島健太)








 寒霞渓を望む神懸山へと向かう県道を上っていくと1軒のプレハブ小屋が目に入る。壁に赤
字で「団結小屋」「新内海ダム即時中止を求める団結の証し」とある。


 「この土地を黙って明け渡しはせん。そんな気持ちを表したかった」。所有者で「寒霞渓の自
然を守る連合会」代表の山西克明さん(71)=小豆島町神懸通=が話した。








   ◇








 小屋の近くの内海ダムの下流で新内海ダムの建設工事が進められている。総事業費185
億円。大半を国と県が折半する。コンクリートの堤防は長さ423メートル、高さ43メートル。貯
水量は内海ダムの8倍近い106万トン。小豆島町の大川新也町議は「洪水と渇水の恐れをな
くすため、大きなダムは必要だ」と訴える。








 県によると、1976年9月、台風17号による豪雨で内海ダム流域の河川が氾濫(はんらん)
し、10人が重軽傷を負った。別当川沿いの2地区(神懸通、草壁本町)では、床上浸水が42
5戸にのぼった。








 しかし、山西さんは言う。「76年の被害は別当川の氾濫だけが原因やない。97年に町内に
吉田ダムができたとき、当時の町長は『もう渇水問題は大丈夫』と言ったはずや」








 県は05年4月から用地買収を始めた。だが、山西さんら地権者16人が応じない。「交渉が
進まない。強制収用するしかないのか」(県用地対策室)。09年2月、国は新内海ダム建設を
認め、今年7月、県収用委員会は地権者からの土地の強制収用を認める裁決を下した。








 前年の8月だった。「コンクリートから人へ」を掲げる民主党が総選挙で大勝した。それからま
もなく、山西さんら反対派住民は東京に前原誠司・国土交通相(当時)を訪ね、陳情書を手渡
した。同党は全国のダム見直しを明言し、期待が膨らんだ。前原大臣は同年12月に小豆島を
訪問。真鍋武紀知事(同)に事業の見直しを要請したが、同意を得られず、事業認定は取り消
されなかった。








 「このまま県の言い分に従うんか。何かやらなアカン」。山西さんは考えた末、団結小屋を建
て、内壁に工事前のダム周辺や反対運動の様子を記録した写真を張った。








 「何度も県の担当課に行ったが、こっちの言い分を聞いてくれへん。納得できん」。この気持
ちを伝えようと、山西さんら反対派住民は昨年6月〜今年9月、国や県、町などを相手取り、工
事の事業認定や県収用委の裁決の取り消し、事業費の差し止めなどを求める裁判を計5件起
こした。








 10月末、工事を請け負うゼネコンなどの共同企業体が「お知らせ」と題する紙を周辺の約1
00戸に配った。平日の作業時間を1〜2時間程度延長することや日曜も作業をする可能性を
示す内容だった。「工事を早く進めるための口実やなあ。裁判で結論が出る前にダムが完成し
てしまうわ」。笠松祝江(ときえ)さん(83)はこう受け止めた。








   ◇








 今月上旬、神懸山の木々は赤や黄色に色づき始めていた。瀬戸内海と島々が望め、観光客
が写真を撮っていた。








 山西さんは何よりも譲れない、反対の理由があると言った。「重機で削られる山肌を見てると
自分の子や孫が切り刻まれる気持ちになる。島自慢の景観がのうなったら、お客さんが来んよ
うになるんやないか。自分の土地が水の中に沈むのはええ。観光も産業もダメになって島全体
が沈む。そんなふうに思うんや」



















新内海ダム 初打設 本格着工祝う


 


読売新聞社 2010年9月3日 web版




新内海ダム 初打設 本格着工祝う








関係者が見守る中で行われた


初打設(小豆島町で)




 小豆島町の県営新内海(うちのみ)ダム建設地で2日、ダム本体に初めてコンクリートを流し
込む「初打設(はつだせつ)」が行われ、工事が本格化した。





 県や小豆島町、工事関係者ら約70人が出席。午前9時に、クレーンでつるされた約3立方メ
ートルのコンクリートがダムの堤防西端部に流し込まれた。関係者は万歳を繰り返し、本格着
工を祝った。





 今後、1日に約200立方メートルのコンクリートが流し込まれるといい、ダム本体は2012年
中に完工する予定。





 一方、今回の初打設に反対派の住民らは反発しており、「寒霞渓の自然を守る連合会」の山
西克明代表は「工事の不合理を訴え続ける」と話した。


















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